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渡部衿子さんに会いに行きました。
 今年の5月の連休にベトナムに行ってきました。
実は2年ほど前から海外仕立をお願いしているKIMONO E JAPAN CO.,LTD(http://kimono-vietnam.com/)の渡部(わたのべ)衿子さんにお会いしたかったのです。衿子社長の思いはHPをご覧ください。私はお会いしていちばん感じたことは「人情深い」「あたたかい」「笑顔がステキ」本当にこれまで苦労してきたことを感じさせない。(苦労したからそうなったのでしょう)


当店でお預かりしたきものがどんなところで、どんな人が、どのように仕立てられているのか?そしてどんな思いでそれをし、これからどうなっていくのか?やはりお客さまになるたけ正確にお知らせしたいと思いました。やはり東京シルクで作り手の方たちとしっかり向き合わねばならない経験をつんでいるからかもしれません。



ブルーのシャツが縫子さんで赤いシャツがベテランさんで、それぞれできたものを検査しています。



裁ちも、もちろん一枚ずつ丁寧にやります。日本と全く同様に。



柄あわせをしてます。全く細かいところにも気を使ってます。使っている道具も日本のものですね。







縫い方も針目も細かい。黒物なんて若くないとできないとよく年配の日本の仕立屋さんがこぼします。




ベトナムの仕立ては基本的に分業です。袖と見頃を別々にそのあと「まとめ」をします。分業だから、人によって縫い方にくせがあってはうまくいきません。それを合わせてなおかつ着やすいきものを造ってもらわねば、うちのお客様にはおすすめできません。

衿子仕立てがベトナム一上手な仕立です。ということは海外ではもっとも上手な仕立てになります。私は自信をもっておすすめしたいと思います。どうしてそう思うのかは、母がその仕立てをみて「これならいいじゃない。」といった一言でした。でもそれにはちゃんと理由があるのです。

バブル景気の20数年前、日本の加工業者に頼まれて衿子社長がベトナムにきたときには3日で帰ろうと思ったそうです。工場は汚い、働いている女性は着ているものも手先も汚い。しかも冷房も入っていないところでは、汗できものが汚れる。これでは到底良い仕立てなど出来るわけがないと。
 
お昼ごはん時になって、半数の女性がお弁当を食べていない。不思議に思って聞いてみると、貧しさから一日一食なのだそうです。残りの子達が自分に「先生!お昼まだなら、私のお弁当分けてあげるよ!」と何人も声をかけてくる。そのお弁当をはじめてあった外人に分けてくれるその心に心打たれたそうです。

そしてその子たちから「先生、がんばれば毎日ごはんが食べられるようになるのか?」と。涙ながらに「がんばればもっともっと良い暮らしが出来るようにしてあげる、約束する!」そしてその子たちは死に物狂いで仕立てを覚え、3ヶ月で振袖と留袖を縫えるようになったそうです。そしてその子たちが今やベトナムの和裁の礎(いしずえ)となり、今や25社、8000人の仕立職人となっています。





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