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18才成人問題

 いよいよ2022年度より満18歳以上が成人となる事が国会で決まった。成人式の趣旨は「大人になったことを自覚し自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」ことから、18歳の1月に行うと受験期に当たり着物を着るどころではなくなる。特に22年度は20、19、18歳の3年分が重なり、会場探しをはじめ大変な事態が予想される。

 

 成人の日は1949年(昭和24年)に国の祝日法で1月15日に制定され、この日に成人式を地方公共団体が自主的に実施してきた。「成人式には振袖」という風習は、1959年(昭和34年)の美智子様ご成婚をきっかけに東京の百貨店が売上増進のために立ち上げたことがきっかけという。

当初は中振袖が主流で、ベビーブームに乗ってみるみる流行した。全国規模のチェーン店も便乗して、飛躍的に売上を伸ばしていった。Y社などは一店舗当たり同柄を20〜30枚も販売したため、成人式会場で何人も同じ振袖とすれ違う事態となったりした。今の卒業袴も同様だが、レンタルが多いためあまり気にしないのだろうか。

 

 今振袖市場は約700〜800億円といわれ、縮小傾向にある呉服業界の市場規模2700億円の3分の1を占める最後の砦だった。成人式に振袖を着てもらえなくなると、業界に与える影響は甚大で、とりわけ地方の呉服店が拠りどころとしている「振袖専門店」「晴れ着写真館」などをはじめ、和装小物や美容関係など広範囲になると思われる。

今年の初めの「はれのひ」事件をはじめ、すでに数軒似たような販売方法をとっていた「振袖会社」(私はこういうやり方をしてる会社は呉服屋ではないと思っている)が倒産している。ニュースにならないから目立たないが、他の会社もほぼ同様の営業のしかたである。

 また振袖中心の小売店は、個人保護法から「成人名簿」(どうしてこういう名簿がいまだに売買されているのか、うちの店にも勧誘に来る)も手に入りにくくなっているため、仕入れを控え、守りに入っているという。その影響で京都の染、丹後の織物、各地の問屋なども軒並み売り上げが落ち込んでいるという。京都の着物業界団体が政府に従来通りの施行を申し入れているが、ほとんどの自治体はまだまだ態度を保留している。呉服業界のために税金を使ってくれるとは思えない。

 

 私はますます生産者が廃業したり、大幅な縮小を余儀なくさせられることで、業界全体の若手が育たないことを一番心配し

ている。本当に着物を着たいと思っている人が、着てくれる時代が来ることはないのだろうか。

 

| きもの情報 | 19:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
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